論語 泰伯 其の壱 《middle》

論語

毎度ぉ~!はらしま(@tyj_harashima)です 日曜のお楽しみ!論語の一節を紹介しています 先週お伝えするのを忘れていましたが、今回から泰伯編となります 論語の旅も第8章に突入しますが、まだまだ先は長いですヨ これからも末永く、お付き合いください なんてナ

原文・訳

子曰、泰伯其可謂至德也已矣。三以天下讓、民無得而稱焉。

子曰く、泰伯たいはくは其れ至徳しとくと謂う可きのみ。三たび天下を以て譲る。民得て称する無し。

解説・意訳

泰伯編の一発目を飾る一節に登場する「泰伯」は人物の名前になります この泰伯の紹介だけなら短くできるのですが、意訳をする前にバックグラウンドなどを説明しておかないと意訳しても内容が上手く伝わらないので簡単にまとめます しばらく、お付き合いください

泰伯は周王朝が誕生する前の周の君主、古公亶父ここうたんぽの長男です 泰伯には虞仲ぐちゅう季歴きれきという2人の弟がいて、三男の季歴にはしょうという息子がいました この昌が生まれた時に瑞祥ずいしょう(天が下す吉兆=めでたい兆し)が起こり、かなり優秀な子(古公亶父からすれば孫)だったそうです

泰伯はこの時「父は自分の後釜に三男の季歴を据えて、将来的に昌を君主にしたいと考えているだろう」という事を察します 本来であれば長男である自分が周の次の君主になるはずですから、季歴や昌が邪魔に思えるようになるワケです そんな背景や情景があっての話になります

次に「至徳」ですが、こちらは「この上なく立派な徳」になります 以上を踏まえて意訳していくと

先生は言った「泰伯はこの上ない徳の持ち主と言えるだろう 三度も天下を譲ったのだから (しかも)民衆はそんな事情も知らないから(泰伯を)称賛することもなかった」 となります

先ほど説明した泰伯の父、古公亶父が三男の息子の昌を将来の君主にしたいと考えている事を察した泰伯は、そんな父の願いを叶えるべく次男と一緒に家出をします で、三男の季歴が後を継いで季歴が亡くなると昌が周の君主となりました そしてこの昌が、周王朝の初代天子・武王の父なのです

そういった事情を知る(歴史を学んだ)孔子は泰伯の家督を譲った行動を称えていて、その行動が民衆に知られていない事を惜しんでいる話になります 「三たび天下を以て譲る」を「三度も天下を譲った」としていますが、天下=家督は何となく理解できますが譲ったのは一度で「三度」は多い気がします 昌が君主になるまでに何度か君主への打診があったのかもしれないですネ 知らんけど

Harashimaがアレコレ述べる章

今回は話の背景を知らないとイマイチ伝わらないように感じます こちらも事情を知っている体で話をする事ってよくありますが、さすがに2500年以上前の話の事情までは…ですネ それに、人知れず行う善を「陰徳」といって至徳とまでいえるか知らないけど、結構な徳だと思うけど「知られていないのが惜しい…」とか、何かいつもと違うように感じるのはHarashimaだけですかネ

それに「父の意を察して弟と一緒に家出をして家督を譲った」とあるけど、もしかしたら「殺されるかもしれないと察して弟と逃げた」が正解かもしれません 昔は親でも子でも疑いをかけられるだけで容赦なく殺し合う時代ですから、無きにしも非ずです だから民衆に称えらない、(よくある話の一つだから)知られていないのかもしれません

ホントのところは誰にも分かりませんが、「察して譲る」は「忖度」な気もして徳とは思えないんですよね 相手にも「アイツは俺にビビってる」「俺よりも弱い(下)なヤツ」という印象を与えて勘違いさせてしまう気がします(もちろん、相手にもよるんだろうけど)

色々な事情を察して譲ってきたHarashimaが教えますが、「他所も大して変わらない」なんて事はない 「ところ変わればしな変わる」です これも実体験ですが、環境が変わると同じ物事でも「ひん」が違ってくるのです これは述而28(詳しくはコチラ)でもありましたが、何処でも起こりうるモノなんだと思います 品のない、下品な人には近づかない方が賢明です(経験者は語る)

魅力的に思えるモノも手に入れてしまうと魅力ないモノになってしまう事ってあるでしょ?!「譲ってよかった」と思うようにして心の平静を保つもの一つの方策だと思います また来週!

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