毎度ぉ~!はらしま(@tyj_harashima)です 日曜のお楽しみ!論語の一節を紹介しています 今回はHarashimaがよく取り上げる「ウワサ」に関する一節です ネガティブにとらえず軽妙な切り返しが面白い部分でもあります それでは、お付き合いください

原文・訳
達巷黨人曰、大哉孔子。博學而無所成名。子聞之、謂門弟子曰、吾何執。執御乎。執射乎。吾執御矣。
達巷党の人曰く、大いなる哉 孔子。博学にして而も名を成す所無し。子 之れを聞き、門弟子に謂いて曰く、吾れ何をか執らん。御を執らんか。射を執らんか。吾れは御を執らん。
解説・意訳
今回も漢字の説明からしていきます 「達巷党」というのは達巷と党の分かれ、達巷というのが地名で党というのは500軒ほどの集落のことで「達巷村」といった具合になります 漢字ではありませんが次の「大いなる哉」と「名を成す」は、それぞれ「大したものだ」と「専門家としての名声を得る」といった意味の言葉になります
「門弟子」は「同門の教え子」で弟子とは少し異なります 違いとしては、弟子というのが特定の先生から教わるの対して、門弟子はその流派や宗派といった大きなくくりになります 例えば、○○塾の生徒は門弟で、家庭教師に教わるのは弟子というような違いになるかと思います(あくまでも「例え」です)
その後の「御」と「射」は意訳後に詳しく説明しますが、とりあえず「御者(乗馬、馬車の運転手)」と「弓を射る人」という意味です 最後に4回も繰り返す「○○を執らん」ですが、こちらはここでは「○○になろう」といった感じになります 以上を踏まえて意訳していくと
達巷村の人は言った「偉いもんだ、孔子さまは。広く色々なことを学びながら特に決まった専門家としての名声はお持ちでないのだから」 先生はこれを聞いて門弟たちに言った「それでは私は何の専門家になろうかな。御者になろうか。射手になろうか。やはり私は御者になろう」 となります
要するに、「すごいねぇ孔子様は 色々な事を学んでいて、色々な事を知っていて、こんなにも有名なのにコレといった専門家としての肩書を持たず活動しているんだから」というウワサを達巷村の人がしているのを耳にした孔子が、照れ隠しのために門弟たちに「私は何の専門家になろうかな?『御(馬の専門家)』になろうかな?それとも『射(弓の名手)』になろうか?よし、私は『御者』になろう」と答えたって話です
褒められている事に気をよくした孔子の冗談だと思われます この冗談のどこが面白いのかというと、当時の必須の教養とされた「六芸(礼・楽・射・御・書・数)」というのがあって、孔子は礼と楽(音楽)を重視していました なのにここで射と御という体育会系の専門家になろうか?とボケるのです そこがユーモアとなっているようです(ちなみに六芸の残りの「書」は書法、「数」は算術です)
Harashimaには正直、あまり面白さが伝わってきませんが当時の人にはウケたのかもしれませんね
Harashimaがアレコレ述べる章
さて、ここからはHarashimaの独壇場なので勝手な事をダラダラと述べていきます 上記では気をよくした孔子が冗談を言ったとなっていますが、果たしてホントにそうでしょうか? Harashima的(ネガティブ)変換をしていこうと思います お付き合いください
まず、村人のウワサ話が褒めているのではなく嫌味や皮肉だったら?というところから始めます 他所から来た有名人(孔子)が村の若い衆(門弟子)を連れて歩いていると聞こえるように「孔子ってのは大したヤツだよ 博学であるにもかかわらず、何の肩書も持っていないのだから」と揶揄われます
連れていた若い衆の手前、黙って聞き流すワケにはいかず「では何の肩書を持とうか?」と言って「御者になる」というのですが、当時の教養の必須「六芸」を知っていれば孔子が礼と楽を重視していることは容易にわかるはずで、礼や楽の専門家といってもいいワケです
なのに「御か?射か?そうだ、御にしよう」というのは、六芸も知らない人にテキトーなことを言ってバカにしている(言い返している)のです 何なら「御」「射」は六芸の中でも他に比べ、割と習得が容易なのかもしれません そこまで考えての嫌味・皮肉返しだったのかもしれません
こんな風に読み取ると、失礼・無礼な人には関わらない方がよいものの、黙って聞き流すことができない場合は相手には真意が伝わらない、仲間内でしか伝わらない(ウケる)返しをするのが君子(孔子流)という事なのかもしれません
こういったシチュエーション、あるよね 相手のこともよく知らずに先入観で「アイツは気に入らない、大したことない」と決めつけて失礼・無礼な態度や言動をする人、自分が失礼・無礼なのにそれを棚上げして「何だアイツの態度や言い方は」とコチラに非があると思い込んでいる人、面倒くさいよね
そんな人には関わらないのが正解だと思いますが、どうしてもガマンならん場面や場合の時は相手の理解の届かない範囲で言い返してバカにすればいいのです これなら言った側も怒る事なく(バカにされた事に気づいていないからね)、こちらもストレスにならず無用なトラブルを避けることにもなります
最近は想像力の乏しい人、ステレオタイプな人が増えたのか?言葉の上っ面(言われたまま)でしか物事を見ていない人が多いように感じます なので真意が届かずチョットした事、大したことでもない話であっても誤解され、誤解された上っ面の話が拡散して炎上する…そんなのが増えた気がします
ウワサや誤報を真に受けて踊らされる人とバカにされてる切り返しにも気づかない人はビミョ~に違いますが、どちらも「なりたい人」ではないと思います ならないように日頃から「ならないための努力」が必要です そのためにも学びましょう また来週!