論語 泰伯 其の二十一 《long》

論語

毎度ぉ~!はらしま(@tyj_harashima)です 日曜のお楽しみ!論語の一節を紹介しています 今回で4週続いた伝説の聖天子、ならびに泰伯編の最後となります 次週からは「子罕」編です まだまだ論語の旅は道半ば、ボチボチ続けていくつもりですので、これからもお付き合いください

原文・訳

子曰、禹吾無間然矣。菲飲食、而致孝乎鬼神、惡衣服、而致美乎黻冕、𤰞宮室、而盡力乎溝洫。禹吾無間然矣。

子曰く、は吾れ間然かんぜんすること無し。飮食をうすくして、孝を鬼神きしんに致し、衣服をしくして、美を黻冕ふつべんに致し、宮室きゅうしついやしくして、力を溝洫こうきょくに尽くす。禹は吾れ間然すること無し。

解説・意訳

今回は見慣れない漢字が多いので先に漢字の説明をしておきますね まず「間然」ですが、これは「欠点を指摘して非難する」という意味になります 次の「菲くす」は「うすい・粗末な」という意味があります その次の「孝を鬼神に致し」は、考が「お供え」で鬼神が「神々」なので「お供えを神々にする」といった感じの訳になります 続いて「美を黻冕に致し」ですが、こちらは美が美しくで黻冕は前垂れと冠のことで、祭祀の時に着る礼装のことをいっているので「(祭祀の時は)美しい礼装をする」といった訳になります 「宮室」というのは天子の住む家のことで「住居」です 最後の「溝洫」は「みぞ・どぶ」のことで田畑の間の水路のことをいっています

以上のことを踏まえて意訳していくと…
                                                           先生は言った「禹について私は非難しようがない 自分の飲食を切り詰めて、神々に立派なお供えを捧げ、普段の衣服を質素にして、祭祀の礼服を美々しくし、自分の住居を粗末にして、田畑の水路の充実に尽くした 禹について私は非難しようがない」 となります

さすが伝説の聖天子ですよ 自分のことよりも他者のことを思いやる、質素倹約に努めるが使うところはケチらず使う…メリハリを利かせた利他の精神、さすが伝説の聖天子ですよ(マネして2回繰り返してみました) いわゆるGiver(ギバー:与える人)です それを当然のように行えるから「非難しようがない」と言っているのです Taker(テイカー:奪う人)にはマネできません

Harashimaがアレコレ述べる章

泰伯編の最後を飾るに相応しい話でしたね ここからはテイカー…というか、小人的な発想による失敗談とでもいうのか?よろしくない話をしていこうかと思います お付き合いください

企業や組織で働いていれば閑散期と繁忙期があるモノです そんな時は暇なところから忙しいところへと、人の応援・受援という事が行われます ここで、ギバーとテイカーの差が表れます ギバーは応援の要請があれば、惜しげもなくエース級の人材を指名して行かせます なぜなら、受援する側は忙しくて仕事や作業を教える時間も惜しいはずです 少ない手間と時間で仕事や作業を覚えてこなせる人が欲しいのは容易に想像できます 相手のことを考えればこそ、の采配です

指名されたエース級の人材も新しい環境に挑戦するチャレンジ精神をくすぐられ、前向きに取り組むものと思われます(しかし、これはビミョ~です 現状に満足している場合や環境が大きく変化する場合は嫌がられるかもしれません) 前向きに取り組んだという前提で話を進めると、受援した側は「覚えの早い優秀な人材を出してもらったから、あちらから応援の要請があればウチも優秀な人材を出さないと面子が立たない(恥をかく)」と思う事でしょう

そして、エースの抜けた自分の組織にとっても次のエースが育つ環境になるので少しの間あれこれ起こって苦労するとは思いますが、それも新しい組織に生まれ変わる必要な代謝(変化)です この一連の流れが「善い循環」だと思います

しかし、これが小人的発想になると「自分が楽できなくなるから」という理由でエース級の人材は手元に残しボトムな中から人選して指名するのです そんなことをするから「あそこへ応援を頼むのは止そう」となったり「あそこはレベルが低い」と思われるのです エース級の人材も現状に満足してしまい成長せず「そこでしか通用しない人」になってしまう恐れがあります そして、その組織はいつまでも代謝が起こら徐々に腐っていく 小人的な発想が、自分の都合でしか物事を考えられない人が色々な人から色々なものを奪っていく、まさにテイカーです

自分の事しか考えず自分の都合で周りを振り回す小人的発想な人が上層にいると組織を破壊します そうならないようにするには学ぶより他ないですね 学ばなければ知りようがないですから… 少しずつでも始めてみましょう それでは、また来週!

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

完訳論語 [ 井波律子 ]
価格:3,080円(税込、送料無料) (2024/1/11時点)


コメント

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました