毎度ぉ~!はらしま(@tyj_harashima)です 日曜のお楽しみ!論語の一節を紹介しています 今回は短い一節で、一見すると「なんじゃそりゃ」に思える一節ですが、よ~く考えると「そりゃそうだ」となる話です ユーモアや茶目っ気たっぷりなのでお楽しみに それでは、お付き合いください
原文・訳
子曰、吾未見好德如好色者也。
子曰く、吾れ未だ徳を好むこと 色を好むが如くする者を見ざる也。
解説・意訳
特に難しい漢字はありませんが、今回は「徳」と「色」がキーワードになっているので説明しておきます 「徳」は道徳、徳義のことで、善行を積みヒトとして学び続ける人「徳のある人」のことを指しています 「色」は色恋、色欲といった「色気」のことで、ここでは「美人」ことを指しています 以上を踏まえて意訳していくと
先生は言った「私は美女を愛するように徳を愛する人に未だかつてお目にかかったことがない」となります
LGBTQのことは脇に置いておいて、要するに孔子は「男性が美女にメロメロになるように、学問が大好きで徳を積むことを愛してやまないという人に会ったことがない」と言っているのです 意中の異性には恋焦がれ情熱を燃やし追いかけるが、徳義を愛して追い求める人には会ったことがない そんな対比です
鵜呑みにすると「何を言っているんだ?」となります こんなことを大マジメにいわれてもシラケるだけだろうし特大ブーメラン(「そういう先生はどうなの?」)となって自分に返ってくるだけかと思うので「そりゃそうだろ」と思わせてクスッとするユーモアだと思います(知らんけど)
もし孔子が自分のことを「美人より徳義の方を愛している人物だ」というのなら「私は美女を愛するように徳義を愛している」とか「私にとって徳義は美女と同じように愛してやまない対象である」なんて一節になっているように思います(知らんけど)
真相は分かりませんが、ジョークやユーモアなのじゃないかな?と思います 孔子は四角四面の堅物ではなかったようですし、例えば酒の席で上機嫌になって、それくらいの冗談は言っていたのではないかと思います その方が人間味があって親しみを感じるように思うのですが、いかがでしょう?
Harashimaがアレコレ述べる章
こういった軽口や冗談というのは、その場にいて聞くから面白いのであって後から聞いた人には面白さは伝わらないように思います(冗談や軽口として話を進めます) 特に、見たまま・聞いたまま・感じたままで物事を鵜呑みにして判断してしまう「ステレオタイプ」といわれる人には面白さは通じず「何を生意気な事をいっているんだ」となりやすいです
こういった誤解や勘違いが起きる仕組みは「バイアス(思い込み)」が関係しています 今回の場合で言うと、孔子という人物(聖人君子で真面目なイメージ)から逸脱した内容の話がその場にいなかった人の耳に入り、その場にいなかった人の孔子像と比較して感じた感情に支配されるのです
例えばチョコレート、チョコレートというのは甘くて美味しいイメージです そのイメージから逸脱した「酸っぱくてビミョ~だけど美味しい」チョコレートを勧められた時、食べる前から何か嫌な予感がする…ヒトによっては聞いただけで「絶対食べたくない」と拒否反応を示す人もいるかと思います それが、チョコレートは甘くて美味しいという思い込み、バイアスです(美味しい・不味いも好みがあって、意見は分かれるところではあります)
そういった思い込みが多い・強い人ほど新しいこと・未知のことを遠ざけ、知ってる事・経験した事以外のことに嫌悪感を抱きます(恐怖に感じる) だから否定的となり「今のままでいいじゃないか」と変化を嫌い現状維持をしようとするのです これを「現状維持バイアス」といいます
バイアスには色々な種類があって紹介しきれないので割愛しますが、この思い込みに囚われすぎてしまっているステレオタイプは何処にでもいるし、誰にでもなってしまう可能性があります 例えば、血液型による性格の傾向(A型は几帳面、AB型は二重人格など)があります 当てはまる人もいれば当てはまらない人もいる けど、何々型で一括りにされて語られる…それもバイアスです
そんな他愛もない思い込みもあれば、その思い込みが差別につながる場合もあります
最近の話で言うと「クルド人差別」などがそれにあたります 文化や見た目の違いで嫌悪感を抱く人、実際に嫌な目に合った人など色々な人がいると思いますが、そのネガティブなイメージを発信してしまうとステレオタイプ(鵜呑みにして刷り込まれてしまう人)が増えます 身近な人の話であれば特に…
クルド人みんなが悪い人ではないはずです なのにクルド人というだけで同じに見られ差別される…おかしな話だと思いませんか? 自分が同じ立場になった時「○○人だから仕方ない」で納得できますか? あなたの誤解や勘違い、思い込みじゃないですか?ってことです(あまり刺激すると返って逆効果な場合もあるので難しいところです)
おっと、何だかお堅い話になってしまったかな? ユーモアを忘れちゃいけない
Harashimaは言った「私は呼吸や瞬きするのと同じくらい無意識に差別している人にお目にかかったことがない」 なんてね
完全に差別をなくすのは難しいとは思いますが、何でも鵜呑みにしてしまうのではなくキチンと情報を整理して自分の頭で判断すれば差別を減らすことは可能だと思います 鵜呑みにして刷り込まれ、無意識のうちに差別してしまうことのない世界が訪れるよう、学びましょう!(意識して差別するのを容認しているワケではありません 悪しからず) また来週!