論語　泰伯　其の十三　《long》

毎度ぉ～！はらしま（@tyj_harashima）です　日曜のお楽しみ！論語の一節を紹介しています　今回は少し長い一節で、内容も少し複雑…というか追加の説明がないと一読しただけで理解するのは難しいと思います　逆に話の中身はシンプルで明快です　それでは、お付き合いください

原文・訳

子曰、篤信好學、守死善道。危邦不入、亂邦不居。天下有道則見、無道則隱。邦有道、貧且賤焉、恥也。邦無道、富且貴焉、恥也。

子曰く、篤あつく信じて学を好み、死を守って道を善くす。危邦きほうには入いらず。乱邦らんぽうには居おらず。天下　道有れば則ち見あらわれ、道無ければ則ち隠かくる。邦くにに道有るに、貧しくして且かつ賤いやしきは、恥也。邦に道無きに、富み且つ貴たっときは、恥也。

解説・意訳

今回は説明が必要な漢字や熟語が多い…簡単に訳しながら説明していきますね　　最初の「篤く信じて学を好み、死を守って道を善くす」の部分は「確信をもって学問を愛し、命あるかぎり正しい道の実現のために尽くす」となります

「篤い」は、気持ちの厚みの幅です（元々は病気の具合を表す漢字です：重篤、危篤などの深さを表す字です）　「死を守って道を善くす」の「死を守る」は「死ぬまで」、「命あるかぎり」としてあります（別の読み方もあるようですが、そちらは参考にしている書籍で確かめてみてください）　「道を善くす」は「善の道を進む」とか「正しい道（善）のために尽くす」といった意味になります

次の「危邦に入らず…」からは意訳後に説明していきます

先生は言った「確信をもって学問を愛し、命あるかぎり正しい道の実現のために尽くす　危機に瀕した国には足を踏み入れない　混乱した国には居続けない　天下に道義があれば世に出て活動するが、道義がないなら隠棲する　国に道義がある時に（世に出て活動せず）貧しく低い地位にいるのは恥辱である　国に道義がない時に裕福で高い地位にいるのは恥辱である」となります

「危邦・乱邦」は「危ない国・乱れた国」という感じです　そのような国があれば「入らない（行かない）、居ない（留まらない）」ということです　たくさん出てくる「道」は、「道理・道義」といった儒教的に正しい道のことになります　世の中の「道」が正しくあるなら「見る」、「世に出て活躍する：世の中に出て道のために尽くす」が、「道」が失われているなら「隠れる：隠棲（ひっそりしている）」となります

さっきは「天下：世の中」でしたが次は「邦：国」になります　国の「道」が正しくある時に積極的に活動もしないで貧しい状態でいるのは「恥」だといっています　逆に国の「道」が正しくない時に裕福で高い地位にいるのも「恥」だといっています　こちらは道理や道義のない（無秩序）な状態であるのに裕福で高い地位にいる、すなわち「悪いことして儲けている、地位を手にした」＝「恥ずかしい事をして得たもの」ということです

まとめると、「学問（人として勉強）が正しい道と信じて、死ぬまで善を続ける　（秩序のない）危険な場所や乱れた場所には近づかない　世の中が安定している時は積極的に活動するが、不安定な時は無理せず機が熟すまで静かにしている　所属する組織やコミュニティーが健全な時に活躍もせず貧しいままでいるのは恥ずかしいことだ　逆に、所属する組織やコミュニティーが無秩序で乱れている状態なのに裕福で高い地位にいるのも恥ずかしい事である　という話です

Harashimaがアレコレ述べる章

どこからどう話を進めていいのか？迷ったり悩んだりする（言いたいことが山ほどある）話です　けど、やはり「人」ですよ　人が「より善い人になろう」と学ぶことで国（組織やコミュニティー）が善くなり、多くの組織やコミュニティーの善が集まってできている天下（世の中）が善くなる　そういう事だと思います

経済でも、ミクロ経済（個人や家族単位）の経済活動が集まって企業や国、世界といったマクロ（大きな単位）の経済がまわる…同じ考えだと思います　今は…というか、ここ30年？ミクロにmoneyがないから経済が停滞しているんだと思うのですがミクロにmoneyを持たせない政策ばかり…国は乱れて「道」が失われている状態といえるかもネ

組織や企業にしても同じ、内部でミクロ（個人や各部署といった小さい単位）が集まってマクロである組織や企業に好循環が生まれるはずなのに、マクロに「道」が失われているから不正や各種のハラスメントが蔓延しているように思います（マクロの言い分は「ミクロ（個人）に原因がある」なんだろうけど…）

各個人がより善い人間、社会を意識して生活すれば世の中も善くなっていくのだろうけど、意識しない人もいれば意識している人を騙して自分だけがいい思いをしようと考える人もいて…それを許せず正そうとする人もいる　色々な人がいて「道」は難しいですな

…ホントはもっと違う話もしたいのですが、取り留めなくなってしまいそうなのでここらで止めにしておきます　とりあえず、組織や国、世の中（マクロ）の「道」が怪しい今は静かに機が熟すの待って勉強しておくことにします　ミクロで正す人に失敗したようなのでね　それでは、また来週！

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