論語 泰伯 其の四 《long》

論語

毎度ぉ~!はらしま(@tyj_harashima)です 日曜のお楽しみ!論語の一節を紹介しています 今回も先週に引き続き曾子の語った一節です 最後に意味深な一言が添えられていて想像力を掻き立てられます それでは、お付き合いください

原文・訳

曾子有疾、孟敬子問之。曾子言曰、「鳥之將死、其鳴也哀、人之將死、其言也善。君子所貴乎道者三、動容貌、斯遠暴慢矣。正顏色、斯近信矣。出辭氣、斯遠鄙倍矣。籩豆之事、則有司存。

曾子そうしやまい有りて、孟敬子もうけいし 之れを問う。曾子言いて曰く、鳥のまさに死なんとするや、其の鳴くこと哀し。の将に死なんとするや、其の言や善し。君子の道にたっとぶ所の者は三。容貌ようぼうを動かせば、斯に暴慢ぼうまんに遠ざかる。顔色を正せば、斯に信に近づく。辞気じきを出だせば、斯に鄙倍ひばいを遠ざく。籩豆へんとうの事は、則ち有司ゆうし存す。

解説・意訳

背景というか場面の説明をしておくと、場面は前回と同様に亡くなる間際で、今回は孟敬子という人が訪問というか見舞いに来ているところです とても死に際とは思えない快活ぶりな内容になるのですが、とりあえず意訳していきます

曾子が病気で重態となった 孟敬子が見舞いに来た 曾子は言った「絶命直前の鳥の鳴き声は哀切です そして絶命直前の人間の言葉は誠実だといいます 君子の道(仁や礼)において尊重すべき大切な事が三つあります 一つは、立ち居振る舞いに気をつければ他人からの暴力や侮りから遠ざかることができます 二つ目は、表情を正して厳かにすれば騙すような人物には思われず信用されます 三つめは、言葉遣いに気をつければ他人の下品で道理に合わない言葉が耳に入らなくなります 籩豆のことは、担当の役人に任せればよろしい」 となります

まずは見舞いに来た孟敬子ですが、孔子の故郷でもある魯の国の貴族、孟孫氏一族の孟武伯もうぶはくの息子になります 曾子とどのような関係にあったのかは不明です 最後の「籩豆(祭祀用の器)」のことを尋ねに来たのでしょうか?「…病気で死にそうな人に?今?」って思ってしまいますが、この頃は死ぬなんて思っていないぐらい調子がよかったのかもしれませんネ 知らんけど

続いて、この一節で重要なのは「君子の道に貴ぶこと三つ」ですかネ
一つ目は、人間関係におけるポジションに気をつけていれば、嫌な目に遭わずに済む
二つ目は、顔つきを厳しくしていれば、騙そうと寄って来る者もいないし、騙す側の人だと思われることもない
三つめは、言葉遣いに注意していれば、悪クチを言われることもない
といった感じになります(Harashimaの感想です)

なんか「君子ってこんなだっけ?」と思える貴ぶこと三つに思えます 時代が進んだからなのか?曾子の思想なのか?その辺も不明です 一つずつの細かな説明は後ほどしていきますが、要するに「死に間際の人の言う事は信じるに値するから聞きなさい」という事だと思います なので籩豆(祭祀用の器)の話も私の言う通りにすればいい…ってことかな?です

Harashimaがアレコレ述べる章

一つ目の「容貌を動かせば暴慢から遠ざかる」がなぜ「人間関係におけるポジションに気をつけていれば、嫌な目に遭わずに済む」なのか?ですが、逆から考えます 暴慢さ(自分が他者よりも優れていると考え、他者を見下して礼を欠いた態度をとる様子)から遠ざかるために容貌(顔の様子:表情)を動かすワケです 常に怒りや不機嫌、不愉快そうな表情をしていれば他者からマウントされる事もないだろう…的な発想だと考え、そう訳しました

二つ目の「顔色を正せば、信に近づく」も似たような発想になります 柔和でニコニコしている人よりも厳しい顔つきでいる方が、真剣さが増しているように見えて信用されやすいし、「騙してやろう」と考える人も寄ってこないだろうという感じに訳しました

三つ目の「辞気を出だせば鄙倍を遠ざく」は、「辞気」というのが「言葉遣い」で「鄙倍」というのは「卑しく道理に背く」という意味になります なので、言葉遣いに気を付けていれば他者からの心無い言葉を言われることはない、耳に入ってこないという風に訳しました

曾子のいう君子にとって貴ぶ三つの事というのは、個人的には道(仁や礼)というよりは上手く世渡りする上での注意事項な感じがします どれも表面的で薄っぺらく「マウントされないようにプリプリして、騙されないように怖い顔して、悪クチを言わせないように言葉遣いをワザと荒げる」こんな風な意味にも取れて、なんだかなぁ…な気がします

これで上手く世の中を渡っていけるかはビミョ~ですが、それっぽい人を散見するのであながち間違いではないのかもしれません 余計なお世話ではありますが、薄っぺらさも見透かされていることに注意した方がよい気がしますネ 虚勢を張っているだけなのがバレバレです

おっと、またやってしまった… 曾子という人物を貶める意図はありません けど、何となく今回は「違う」と思ってしまう一節でした デタラメな訳をせず「籩豆(祭祀用の器)」と同じように担当(専門)の人に任せておく方がよいかもしれませんネ なんてナ また来週!

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