論語 子罕 其の十四 《middle》

論語

毎度ぉ~!はらしま(@tyj_harashima)です 日曜のお楽しみ!論語の一節を紹介しています 今回は背景が分からない一節となっていて真意が読み取れません 一見すると「センセイ、チョーシのってんなぁ」と、そんな風にも思える話です それでは、今週もお付き合いください

原文・訳

子欲居九夷。或曰、陋如之何。子曰、君子居之、何陋之有。

 九夷きゅういに居らんと欲す。あるひと曰く、いやしきこと之れを如何いかん曰く、君子之に居らば、何の陋しきこと之れ有らん。

解説・意訳

まずは漢字の説明をしていきます 「九夷」は九種の民族からなる異民族の名前で、東方にあった僻地(田舎)のことです 「陋しい」は「粗末でむさくるしい」という意味の漢字になります 「如何」は如何ともしがたい・如何せんの如何で、「決めかねる」とか「どうでしょう?」といった意味の言葉です 以上を踏まえて意訳していくと

先生は九夷に住もうとした 或る人は言った「むさくるしいところですが、どうでしょうか」 先生は言った「君子がそこに住めば、何のむさくるしいことがあるものか」 となります

どのような理由から「九夷に住もうとした」のかは不明ですが、田舎に引っ越そうとした孔子に「むさくるしいところですよ」と助言する人がいたのですが「君子(私)が住めば、むさくるしいことなんてあるワケがない」と言うのです …何か孔子らしくないですよね 情報が足りない一節だと思います

僻地(田舎)のことを「むさくるしい」とは言わないよね…この辺の言葉のチョイスや「或る人」という珍しく名前の無い人物が登場するのも違和感があります 憶測で話をするのは危険ですが、次の章で孔子っぽくなるような与太話にしてみたいと思います

Harashimaがアレコレ述べる章

まず、登場する「或る人」というのを「ウワサ好きの小人(しょうもない人)」とします で、「九夷」というのは「差別されている地域(被差別部落)」だとします(人権意識の低い時代ですからね、実際にあったと思われます) これを話に当てはめると…

どういう理由からか?は不明ですが、孔子が差別されている地域に住もうとしたところ、ウワサ好きのしょうもない人が『あそこはむさくるしいところ「らしい」ですよ ホントに住むのですか?』というのです そして、孔子は『住んでみなけりゃ分からないだろ? 君子(私)が住んで「むさくるしい」なんてウワサが間違っていることを証明してやる』…という話なのではないかなぁと思います

情報が少なくて善に寄せて話を想像してみたのですが、こうすると孔子っぽくなるような気がしませんか? 九夷という部族や土地に偏見があって差別されているのを見過ごせず、九夷のために立ち上がる… そして自分のことを「君子」と強調することで、そんな根も葉もない(「むさくるしい」という)ウワサがウワサでしかない事を証明する方法として「九夷に住む」と言い出したのかもしれません(知らんけど)

差別する人への当てつけ、差別されている人への寄り添いを考えた孔子流の解決策かもしれないなぁと推察しますが…如何?(なんてナ)

こういった差別や人権の話ってデリケートですよね 悪いウワサは風化してなくなればいいのに無くならない、けど何も無かったことにされるのも納得できない…難しい問題だと思います だからこそデリケートなんでしょうね それぞれの立場があって、それぞれの考えもあり、安易に結論を出したり解決できる話ではありません

知らなければ知らないで済むのに…或る人(しょうもない人)のウワサ話で知ってしまう場合もあれば、そういう地区のある市町村での熱心な「人権教育」が逆手となって知ってしまい、そんなつもりはないけど変な意識が芽生えてしまう(知らなかった時と同じではなくなる)ことにもなるのでホント、難しいと思います

Harashimaも差別について学ぶ機会があって、そこで「ステレオタイプ」であったり「思考停止」といった言葉や状態を知りました(知らなくてもよかった、知りたくなかったことまで知りましたが…) 知らない方が幸せな事もありますが、知ったからには「或る人」にはならないようにしようと心掛けています

今回はデリケートな話題にしてしまって誰かの地雷を踏んだり、誰かの逆鱗に触れて社会的に抹殺されるといけないので終わりにしておきます(もう抹殺済みだったりして…恐い、怖い)

世界から差別を無くすのは難しいとは思います けど「差別しない」という意識をもつことは可能です 一人でも多くの人が意識して、世界中の差別を縮小させましょう! また来週!

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