論語 八佾 其の二十二 《middle》

論語

毎度ぉ~!はらしま(@tyj_harashima)です 日曜のお楽しみ!論語の一節を紹介しています 今回は原文が長いので短くまとめられないかもしれません 内容的には以前にも紹介した事があるような気のする話ですが、お付き合いください

原文・訳

子曰、管仲之器小哉。或曰、管仲儉乎。曰、管氏有三歸。官事不攝。焉得儉。然則管仲知禮乎。曰、邦君樹塞門、管氏亦樹塞門。邦君爲兩君之好、有反坫。管氏亦有反坫。管氏而知禮、孰不知禮。

子曰く、管仲さい哉。ひとく、管仲なるか。く、管氏三帰有り。ねず。んぞなるをん。らば管仲れるか。く、邦君してぐ、管氏してぐ。邦君両君みをすに、反坫有り。管氏反坫有り。管氏にしてらば、らざらん。

解説・意訳

管仲(かんちゅう)は孔子より100年程前に活躍した人物です 春秋時代「斉(せい)」の桓公(かんこう)を補佐して覇者に押し上げた名臣になります その管仲を「器量が小さい」と言ってます なぜなら……と続くのですが、その前に漢字や単語の解説をしていきます

(けん)なるか」は「倹約家だったのか」とたずねています 「管氏三帰有り」は「管仲氏には三人の奥さんがいた」となります(歸が帰という字になり「嫁」と同意で「夫人」と訳されます) 「ねず」は「役所で部下の役人に仕事を複数掛け持ちさせなかった」という意味になります

(いずく)んぞなるをん」で「どうして倹約家といえようか」になります 「邦君してぐ」は邦君が君主、樹が門の内側に立てる石の衝立です なので「君主は石の衝立で門の内側が見えない様に塞ぐ」となります 「邦君両君みをすに、反坫有り」の中の両君は他国の君主を指し、反坫(はんてん)は酒宴で献酬の杯を置く台の事です なのでここは「君主は他国の君主と友好を結ぶ献酬の杯を置く台を持っている」と訳します

最後「(たれ)」は「はっきりとは定めずに、またはわからないままに、物・事を言い表す」という意味です

長くなりましたが、以上を踏まえて意訳すると

先生は言った「管仲は器量が小さい」はある人が言った「管仲は倹約家だったのか」(先生は)言った「管仲氏には三人の奥さんがいた。また、役所で部下の役人に仕事を複数掛け持ちさせなかった。それで、どうして倹約家といえようか」 (ある人が言った)「それなら、管仲は礼を心得ていたのですか」(先生は)言った「君主は石の衝立で門の内側が見えない様にした また、管仲も石の衝立で門の内側が見えない様にした 君主は他国の君主と友好を結ぶ献酬の杯を置く台を持っているが、管仲も献酬の杯を置く台を持っている 管仲が礼を心得ているというなら、礼を心得ていない人間などいないという事になる」 となります

付け加えで「部下に仕事を兼任させなかった」というのは、君主は臣下に一人に一つの仕事しか与えなかったのです それを管仲もしていたという事です

Harashimaがアレコレ述べる章

今回はチョット長かったですネ なのでここは短めで済ませます 以前紹介した三桓(さんかん)と似通った話で、君主にしか認められていない物事を臣下である管仲が同じ事をしているから「礼に反している」と孔子が憤(いきどお)ってる話です

管仲は論語の「憲問」という章?で再度登場しますが、そこでは功績を称賛されています ある人の一面だけ見て「アイツのあそこが嫌い だからアイツは嫌なヤツ」という考え方の人もいるけど、孔子は「優秀な人でも礼にだらしない人は容認できない」という認めるところは認めるが、ダメなところはダメだというメリハリのある考え方を持っていたようです

他人の粗探しをして「アイツはダメなヤツ」と決めつけてレッテルを張るような人にはなりたくないですネ 気を付けましょう

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