毎度ぉ~!はらしま(@tyj_harashima)です 日曜のお楽しみ!論語の一節を紹介しています 今回も長くて漢字の多い一節です(今回で長いのは一区切りになります) 前回は服装の話でしたが、今回は食事の話です 昔すぎて当たり前なのか?贅沢なのか?…何だか不思議な気分になります それでは、お付き合いください
原文・訳
齊必變食、居必遷坐。食不厭精。膾不厭細。食饐而餲、魚餒而肉敗、不食。色惡不食。臭惡不食。失飪不食。不時不食。割不正不食。不得其醤不食。肉雖多、不使勝食氣。惟酒無量、不及亂。沽酒市脯不食。不撤薑食。不多食。
斉するときは必ず食を変じ、居は必ず坐を遷す。食は精げを厭わず。膾は細きを厭わず。食の饐して餲せる、魚の餒れて肉の敗れたる、食らわず。色悪しき食らわず。臭いの悪しき食らわず。飪を失える食らわず。時ならざる食らわず。割りめ正しからざれば食らわず。其の醤を得ざれば食らわず。肉は多しと雖も、食の気に勝たしめず。惟だ酒は量無し、乱に及ばず。沽う酒と市う脯は食らわず。薑を撤てずして食らう。多く食らわず。
解説・意訳
まずは漢字の説明をしていきます 最初の「斉」は既出ですが「ものいみ(神事の準備期間に食事や言行を制限して慎み、身体を清めること)」のことです 「精げ」は「精米された白米」で「膾は細きを厭わず」の膾は料理の名前で、肉や魚を細切りにして調味料と合わせた物をいいます なので、「膾は細切りを好んだ」となります 「饐を餲せる」は「腐って異臭を発する」と訳します 続く「魚の餒れて肉の敗れたる」も似たような意味で「傷んだ魚や腐った肉」になります
「飪を失える」の飪は「煮かげん」で、それを失うので「煮えてない・煮すぎ」という意味になります 「割りめ正しからざれば」の割りめは「切り方・切り口」のことです 次の「醤」は醤油ではなく、調味料というかドレッシングのようなモノになります 「沽う酒」は「市販のお酒」で「市う脯」は「市販の干し肉」です 「薑」は魚料理に沿える臭み消しのことです 以上を踏まえて意訳していくと…
ものいみ(斉)のときは必ず普段と違う食事をとり、座席も必ず普段と違う場所に座った。コメは精白されたものほど好み、膾は細かく刻んだものほど好んだ。ご飯が異臭を発して味が変になったものや傷んだ魚、腐った肉は食べなかった。色の悪いものは食べず、悪臭のするものは食べなかった。煮かげんのよくないものは食べない。季節外れのものは食べない。切り方が正しくないものは食べない。醬(ドレッシング的なもの)が合わなければ食べない。肉はいくら食べてもご飯(白米)の量より食べることはなかった。ただ、酒に決まった分量はないが、乱れるまで飲まない。市販の酒と干し肉は食べない。ハジカミは捨てずに食べるが、多量には食べない。 となります
最初の二句(普段と違う場所に座った)までが「ものいみ」の話で、それ以降は普段の孔子の食生活だと思われる話です(諸説あるそうですが…) 玄米でなく精米された白米を好み、肉も魚もたくさん食べている様子が伺えます(酒も) 傷んだ物や腐った物を食べないのは当然だとして「煮かげんの悪い料理や調味料の合っていない料理、切り方が正しくない物」は食べないとか「旬の食材しか食べない」など食にうるさい感じがしますね 市販の酒や干し肉も食べないとか…
弟子から入門料のような持参金や貢物を取って生計を立てていたと思われるので、多くの弟子を抱えるほど贅沢な生活ができたのかもしれません 質素倹約で清貧を善としているイメージですが、ものいみの期間と普段の食事との違い(ONとOFF)を対比しているのかもしれませんね …知らんけど
何だか食事に関しては、贅沢でワガママな印象を受けますね 酒は好きなだけ飲むし、売ってる酒でなく自家製でないと飲まないとか…他の話から受ける孔子の印象とは異なります まぁ、そこら辺も含めてONとOFFなのかもしれませんが…次、行きます
Harashimaがアレコレ述べる章
今回の一節から何の話をしようか悩むところですが、現代の食物事情について思うところをダラダラと…じゃない、手短に述べていこうと思います
約2500年前と比べれば「旬の物」という概念というか、有難みというのは薄れている気がします 年中、色とりどりの作物が店頭に並んでいます 今でも多少、旬の時季である方が美味しかったりしますが品質やサイズといった部分も年中均一です 農家さんの努力に頭が下がります
しかし、価格がね…旬の物というのは、たくさん収穫出来て美味しく安く大量に買えるはずなのにそうとも言えない…季節じゃない時に高いのは理解も納得もできるのだけどねぇ これも燃料や肥料、輸送費など原材料以外の値段が高騰している影響なのだろうけど…逆に、旬の物という事で値段が上がっていたりする場合もあって「そんな事ある?」と思ってしまいます
特にお正月です その時期に収穫される旬の、安く手に入るからこそ使われるのであろう食材たちの暴騰ぶりと言ったら…(縁起物で手に入りにくいモノもあるかと思いますが…) 色々と角が立つので名称は伏せますが「お前、つい最近まで半値以下で売られていたのに…」なんて食材がたくさんあります
年末が近づき、そんな光景を今年も目にするのだろうけど今年は例年以上にビックリさせられそうです 全てが買い控えられるのではなのでしょうか? 年は越せても正月を迎えられないかもしれないですね 2500年前までとはいいませんが、昔の方が豊かな食生活をしているように思えるのはHarashimaだけですかね そんな気がします…まだまだ言い足りませんが、この辺にしておきます また来週!