毎度ぉ~!はらしま(@tyj_harashima)です 日曜のお楽しみ!論語の一節を紹介しています 今回も長い一節で難しい漢字がたくさんあります(しんどい…) 内容は君子の恰好についての話で、当時の服飾の規則になるのかな? 今のように自由に好きな恰好ができた時代ではないでしょうから記録しておいたのかもしれませんね 普段着や寝間着にまで規定があったようですよ それでは、お付き合いください
原文・訳
君子不以紺緅飾。紅紫不以爲褻服。當暑袗絺綌、必表而出之。緇衣羔裘。素衣麑裘。黃衣狐裘。褻裘長。短右袂。必有寢衣、長一身有半。狐貉之厚以居。去喪無所不佩。非帷裳、必殺之。羔裘玄冠、不以弔。吉月必朝服而朝。齊必有明衣、布。
君子は紺緅を以て飾らず。紅紫は以て褻服と為さず。暑に当たっては袗の絺綌、必ず表して之れを出だす。緇衣には羔裘 、素衣には麑裘。黄衣には狐裘。褻裘は長し。右の袂を短くす。必ず寝衣有り、長け一身有半。狐狢の厚きを以て居る。喪を去けば佩びざる所無し。帷裳に非ざれば、必ず之れを殺す。羔裘玄冠しては、以て弔せず。吉月には必ず朝服 して朝す。斉するときは必ず明衣有り、布なり。
解説・意訳
まずは漢字の説明をしていきます 「紺緅」とは色(カラー)の事で「紺色と緅(朱鷺)色」です(朱鷺色はピンクに近い色です) 「紅紫」も色で「赤と紫」です 「褻服」は平服、「普段着」のことです 「袗の絺綌」は「単衣の葛布」で、葛の茎の繊維を糸にして織りあげた裏地のない着物になります
「緇衣には羔裘」の緇衣が黒い上着で、下に黒い子羊の毛皮を着込むのを羔裘といいます 「素衣には麑裘」の素衣は白い上着で、麑裘は下に白っぽい小鹿の毛皮を着込む、「黄衣には狐裘」の黄衣は黄色い上着で、狐裘は下に狐の毛皮を着る、となります
「褻裘」は「普段着(平服)」、「寝衣」は「寝間着(パジャマ)」のことですが、次の「一身有半(身長の一倍と半分)」という長さから?「掛布団」とする説もあるようです 「狐狢」は「狐やムジナの毛皮」のことです
「佩びる」は、帯びると同意なのかな?「身につける」という意味になります 「帷裳」は「袴」のことで、出仕(民間から官職に就くこと)や祭祀のときに着る裳になります 「殺す」は着物の縫い方の用語です 。。(袴)は上下が同じ幅で縫われているのに対し、殺は上に襞をつけて絞るように仕立てるため上下の幅が異なるよう縫い込むことを「殺す」というそうです
「羔裘玄冠」の羔裘は、上記の黒い子羊の…で、玄冠は偉い人の葬儀のときなどに使用する黒い冠のことです 「吉月」は「月初め(朔日)」、「朝服して朝す」は「宮中に参内するときの正装で朝廷へ出仕する」という意味です 「斉」は「ものいみ(祭祀の準備期間)」のことで「明衣」は「浴衣」です 最後の「布」は「木綿」のことです 以上を踏まえて意訳していくと…
君子は、(祭祀用の着物の色である)紺や朱鷺色を襟や袖の縁どりに使用しない。赤や紫の普段着も着ない。暑い時期は葛布の単衣を着るが、(肌が透けないように)必ず上着を羽織って外出する。(寒い時期は)黒い上着には下に黒い子羊の毛皮を着た。白い上着には下に白っぽい小鹿の毛皮。黄色い上着には下は狐の毛皮を着込んだ。普段着の毛皮は丈を長くして右袖を短くした。必ず寝間着を着用し、その長さは身の丈の一倍半とした。狐やムジナの毛皮を敷いて座った。喪が明けると、すべての装飾品を身につける。帷裳以外は必ず下を広くして、上を狭く縫い込む。(吉事用の)黒い毛皮と黒い冠では葬儀には参列しない。毎月朔の日には必ず朝服を着て朝廷に出仕する。その際は浴衣を用意する。(浴衣は)木綿である。 となります
ところどころ説明が足りない部分(例えば「なぜ普段着に赤や紫を着ないのか」とか「なぜ右袖を短くするのか?」など)がありますが、そこは気にせずいきますね 要は、TPOにあった恰好が決まっていて、逸脱することが「失礼・無礼」にあたるという話だと思います(パジャマや布団のサイズまで?ですが…)最後の「毎月朔の日には朝服を着て…」の部分は、朝廷に出仕して風呂にでも入って身体を清めていたのかな? 色々な事が事細かに決まっていたようです 堅苦しく感じますが、それをフツーにこなすのが君子なのでしょう(知らんけど)
Harashimaがアレコレ述べる章
今週も前段に時間も文字数も持っていかれてしまったので、ここは手短に済ませますね
前段で「TPOにあった…」と述べましたが、このTPOが何の略かご存知ですか? 時(Time)場所(Place)場面(Occasion)のことです 最後の、場面(Occasion)を場合(Case)と勘違いしている人もいるのではないでしょうか? …Harashimaもしていました 勉強になります
こうやって知っているつもりの言葉を改めて調べてみると間違って覚えていた事に気づけたりします 世間的にも、間違った方が間違ったまま一般化している言葉って多いですよね(例えば?…今はパッと出てきませんが、あるはずです) 言葉に限らず間違った方が広まってしまい、正しい方が数に押されて追いやられることも多いかと思います(こちらは例を挙げられるのですが、また脱線して長くなるのでやめておきます)
何事もそうですが「維持し続ける」のは難しいですよね すぐ「楽をしょう」と考え、手を抜いてしまうとアッと言う間に転げ落ちていきます これもそう?ですが「楽をする」と「手を抜く」は異なるのですが、そこを間違うと大変な事になり、元に戻すのは至難の業です
なぜなら、手間や時間のかかる「面倒なこと」になってしまっているので、説得しても今さら戻そうとは思わない人がほとんどだからです 痛い目に遭うまで気づかない…気づけばマシな方で、他責にしたり「対策」という名の更なる手抜きが横行するはめとなり、ついには致命傷に…
…おっと、言ったそばから脱線してる(笑) T:適切に P:ポイントを O:押さえる を考えて話さないとね なんてナ また来週!