毎度ぉ~!はらしま(@tyj_harashima)です 今回ご紹介する本はタイトルと表紙に惹かれて借りてきた新刊です 読書の秋といいますからネ ジャンルや媒体を問わず「本」を読むにはいい季節です そんな季節にちょうどいい感じの一冊を紹介するので、お付き合いください

作品&著者紹介
今回読んだのは「その殺人、本格ミステリに仕立てます。」片岡翔です 片岡翔さんは、1982年生まれで北海道の出身だそうです 肩書は映画監督・脚本家・小説家となっていて『くらげくん』という短編映画で2010年に全国各地の映画祭で7つのグランプリを獲得します 最近では2022年9月に公開された映画『この子は邪悪』の監督・脚本をつとめています
あまり詳しい事は分かりませんが、多分もっとブレイクしていくのではないか?と思われる印象を受けます(大した根拠はありませんが) そんな多忙?な中で出版された今作「その殺人、本格ミステリに仕立てます。」ですが、ミステリー自体は本格的です けど、作品としてはコメディ要素も多く読みやすいと思います ただ、本格ミステリーにありがちな「解りにくさ」も含んでいます
ネタバレしない程度の内容紹介
まず物語は探偵、流鏑馬光彦に届いた大学時代の「本格ミステリ研究会」の誰かが企画したマーダーミステリー(略してマダミス)への招待状から始まります 場所は、今は亡きミステリの帝王、鳳亜我叉の小説に登場する館を再現して建築された「天狗館」です
そこに集結した、光彦を含めた大学時代の友人6人でマダミスが始まるのですが、友人が本当に殺されてしまいます 光彦たちは警察に通報しようとしましたが、犯人による妨害電波により繋がりません 窓はハメ殺しの開けられないタイプで出入口は1つ、外には猛獣がいて逃げられない密室状態です
その状況下で探偵、光彦の推理が冴えわたり?犯人を特定したところで、もう一人の珍客(主人公)が登場します 名前を音更風゛といいます(名前の件は端折ります) 大の亜我叉ファンのブウは鳳家の家政婦として働いています 今回「天狗館」が貸し出されることになり、掃除をしていて迷い込んでしまったのです
ブウの登場で光彦の推理が崩れていき真犯人に辿り着きます こうしてマダミスを利用した殺人事件が解決されたのでした めでたし めでたし ではなく話はここから、ブウが鳳家で家政婦をしているのは前述した通りですが、そこで「家政婦は見た」のです 父親の亜我叉の残した遺産を食いつぶす4人の子供たちの軋轢を…
骨肉の争いの中でブウは殺害計画を耳にします それを止めようとブウは動きます ブウは見事、この計画を阻止できるのか? といった内容でまだまだ話は続きます これ以上は上手く説明できないので実際に読んでみる事を薦めます

Harashimaがアレコレ述べる章
ホントはもっと色々と書き足したいのですが、それをしちゃうとネタバレの危険と面白さを半減させてしまう恐れがあるので控えました 読んだ人からすれば「スッカスカの酷い紹介だ」といわれるかもしれません 特にブウのキャラについて触れていないのが致命的なので、ここで少し補足しておきます
少女(14~15才)に思える容姿で、鳳亜我叉の小説に登場する探偵、奥入瀬竜青の生まれ変わりを自認する天然な?おっちょこちょいな女の子です ブウはとても鼻が利く子で、その嗅覚が事件の謎を解くヒントになっていたりしています 表紙の子がブウなんだろうけど、読んでいるとイメージが違ってくると思います(ずいぶん喧しく、よくしゃべる)
もう一人、重要な登場人物として「豺」というのがいます ぶっちゃけて言うと、マダミスを考えるクリエイター(仕立てる人)です ブウと豺がペアとなって話は進んでいきます 2人の掛け合い…というか、ブウが豺に翻弄されて(させられて?)一方的に話してる印象ですが、その実…といった感じです
本格ミステリーにありがちな「この部屋から誰々さんの部屋は見えない」とか「あの時、誰々さんは誰々さんの後にやってきましたよね」みたいな、建物の見取り図や誰がどの部屋にいるとかいうのを把握していないと解らない解りにくさはありますが、それも「本格」っぽくて面白いですよ
この秋、読んでみてはいかがでしょうか?
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