論語 雍也 其の十二 《middle》

論語

毎度ぉ~!はらしま(@tyj_harashima)です 日曜のお楽しみ!論語の一節を紹介しています 今回の一節は「目から鱗が落ちる」気づきを指摘する話です 現代にも通用する話ですので、覚えておくと良いと思います それでは、お付き合いください

原文・訳

冉求曰、非不説子之道。力不足也。子曰、力不足者、中道而廢。今女畫。

冉求ぜんきゅう曰く、子の道をよろこばざるにあらず。力足らざる也。子曰く、力足らざる者は、中道ちゅうどうにしてはいす。今 なんじかぎれり。

解説・意訳

冉求は今編で何度か登場している弟子で、孔子からは「求や芸(冉求は多才だ)」と評される高弟です そんな冉求が「子(先生)の道(ここでは「教え」や「思想」)を説ばざる(「感動」や「感嘆」)に非ず(しないワケではない)」だけど「力足らざる也(私には出来ません)」といって弱気になっています

以下、読みにくくなってしまうといけないので意訳後に説明していきます

冉求は言った「先生の話に感嘆しないワケではありませんが、私にはチカラ不足です」先生は言った「チカラ不足の者は途中で挫折する 今、汝(冉求)は自分で限界を決めているだけだ」 となります

「力足らざる者は、中道にしてす」の「中道」とは、「道半ば・途中」という意味で「廃す」は「諦める・挫折する」といった意味になります
「今 女は画れり」の「女」は「汝」と同意で「お前・アナタ」を指し、「画れり」は「限る・画す(区切る)」といった意味になります

少し行き詰った感じで弱気になっている冉求に対して孔子は「チカラ不足ではない」と諭し、「自分で自分の限界を決めてはいけない」と奮起を促しています この励ましが功を奏したかはわかりませんが、落ち込んでいる人の励まし方として参考になるかと思います(気落ちしてるところに追い打ちをかけるような励ましにも思えますが、その辺は時代や状況にもよるかもしれません)

Harashimaがアレコレ述べる章

人それぞれ違うでしょうが、気落ちして弱っている時は優しい言葉をかけてもらいたいと思うのではないでしょうか? 今回のように弱音を吐いている相手に対して尻を叩くような励ましは「そんな言葉は望んでいなかった」とさらに落胆したり、怒りに転換してしまう場合もあります

しかし、「自分で自分の限界を決めてしまっている」というのは的確な指摘でもあると思います とかく、気落ちして弱っている時というのは思考も浅くネガティブになりがちで、他に目が向かなくなる事があります (自分で「今が限界(最悪)」などと思う事あるでしょ?)

そういった場面で客観的な意見であったり、思い詰めてる相手には気づけない視点でのアドバイスや励ましができる孔子は、やはり「先生」に相応しいと思います 孔子の励ましに冉求がどう応えたのかは不明ですが、「あぁ、そうか」と心が軽くなったり、救われた気になったのではないでしょうか(知らんけど)

こういった受け答えができるのも、孔子が弟子たちに慕われていて日頃からコミュニケーションをしているからこそ弟子たちは弱音を吐きに来るし、少し厳しい励ましであっても受け入れられるのだと思います(信用や信頼がなければ弱みは見せられないし、アドバイスも受け入れられないと思います)

昨今はコミュニケーション不足が叫ばれていますが、こういったエピソードから解決の糸口が見つかるかもしれませんネ それでは、また来週!

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