論語 為政其の十九 《middle》

論語

毎度ぉ~!はらしま(@tyj_harashima)です 日曜のお楽しみ!論語の一節を紹介しています 今回は組織を運営する人や組織の長を務める人に効く一節?になっています 私情を挟んで長くなるかもしれませんが、お付き合いください

原文・訳

哀公問曰、何爲則民服。孔子對曰、擧直錯諸枉、則民服。擧枉錯諸直、則民不服。

哀公問いて曰く、何を為さば則ち民服せん。孔子対えて曰く、直きを挙げて諸を枉れるに錯けば、則ち民服す。枉れるを挙げて諸を直きに錯けば、則ち民服せず。

解説・意訳

哀公というのは、孔子の母国(魯=ろ)の君主です 孔子は長い旅に出ていて、晩年は故郷で余生を過ごしていたそうなので、その頃の問答になるかと思います 内容は「どうすれば民衆は従うのか」という質問に孔子が答える一節です

見慣れない漢字の説明をします 「枉れる=まがれる」というのは「曲がる」と同意で曲がった人、すなわち素直ではない人や不正を働く人の事を指します 「錯けば=おけば」は….チョットよくわからないけど、登用するとか、その場に置くといったニュアンスだと思います

以上の事を踏まえて意訳すると
哀公は尋ねた「どうしたら民衆は従ってくれますか?」孔子はその問いに対して曰く「素直で正直な者を抜擢して不正をする人達の上におけば、民衆は従います 不正をする人を抜擢して上におけば、民衆は従いません」
となります

Harashimaがアレコレ述べる章

この一節は的を射てると思っています 後に紹介する一節にも似たような一節があるのですが、どちらも「上に立つ人が重要である」という事を説く一節になっています 

「なりたい・やりたい」だけで中身の伴わない人が上に立っても、部下は従いません なぜなら当人の普段の言動や仕事ぶりから中身が窺い知れるわけです 肩書を印籠のように使い無理やり従わせるような手口では、いずれ従わなくなります

民衆(従業員)に近い役人(組織の長)の資質に問題があり、クチばかりで動かない、責任者なのに責任逃れをする、言ってる事とやってる事が違うなど自分本位でデタラメな事をするから民衆(従業員)が反発するのです

マネジメントの父ドラッカーは「人事の失敗は任命した人にある」と言ってます 組織が機能しなくなった時、その責任はその組織の長ではなく、その長を任命した人にある というのです

どのレベルの階層にも「長」はいるものですが、上に行くほど「素直さ・正直さ」が重要になって来るかと思いますが、下層の長で「枉れる」人を登用していては組織が傾いていくのは当然の事と思います

誰が登用を決めるのか知りませんが、機能する強い組織を築きたいのであれば人間性を見て慎重に検討しないと、積年の歪みが倒壊を招くことになりますヨ

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